大谷翔平のルーティンに隠された「カカト支点」|バッティングの軸回転が変わる理由
2026/04/05
大谷翔平選手のバッティング前のルーティン、じっくり見たことありますか?
打席に入る前、大谷選手は毎回ほぼ同じ動きを繰り返します。
腕もバットもほとんど動かさず、体の軸だけでスッと回るようなルーティン。
私がずっと気になったのは、その回り方です。
踏み出した前足の、つま先が浮いていますよね。
このルーティンを解説した動画はいくつかありました。
ただ、どれも捻転や下半身主導、上半身の使い方の話で、このカカト支点について触れているものは見当たりませんでした。
カカトを軸にして、スッと体が回っている。
自分でやってみたら、想像以上に体にしっくりきました。
突っ込みすぎない。体の開きが抑えられる。軸がブレない。
「これ、絶対に意味があるはずだ」
そう思ったのが、この記事を書くきっかけです。
大谷選手がそのルーティンの感覚をそのまま実際の打席で再現できているかどうか、それは断言できません。
そもそもバッティングは毎打席、自分の型で打てるわけではありません。
ですが、あのルーティンには、理論的に説明できる「体の使い方のヒント」が隠されていると私は考えています。
今回はトレーナーの視点から、カカト支点の回転が体にどんな変化を起こすのか、できるだけわかりやすく解説してみます。
▷ カカトを軸にすると、体に何が起きるのか
重心の考え方全般については、以前の記事[【野球】打てない原因は“重心”にあった?|フォームを安定させる正しい立ち方とは]で解説しています。
今回はその中でも、インパクト時の「カカトへのシフト」に絞って深掘りします。
まず頭で理解する前に、一度体で感じてみてください。
つま先を少し浮かせた状態で体をゆっくり回すと、何かが違うと感じる人もいいのではないでしょうか。
これには、ちゃんとした理由があります。
1. 骨盤の回転が起動しやすくなる
つま先まで地面につけたまま回ろうとすると、足首から膝にかけてが固定されやすく、骨盤の回転にブレーキがかかります。
踏み込んでカカトに重心が乗った状態で回転すると、膝の向きに自由度が生まれます。
踏み出し足が地面にしっかり固定されたまま骨盤が回ってくることで、股関節は自然と内旋の関係になる。
これがスムーズな軸回転を生む起点になります。
2. 重心が前に逃げにくくなる
バッティングでよく言われる「体が突っ込む」という現象は、踏み出した前足に体重が乗りすぎて重心が前方へ流れることが原因の場合もあります。
踏み込んでカカトに重心が乗ることで、重心が足の真上に収まりやすく、前への流れが自然と抑えられます。
前に行くエネルギーを、回転のエネルギーに変換しやすい状態になる、というイメージです。
3. 体の「開き」が抑えられる
つま先で地面を踏ん張って固定しようとすると、一見「開きを止めている」ように感じますが、実際には骨盤の回転にブレーキがかかり、力が逃げてしまいます。
その結果、かえって肩が早く開いたり、重心が投手方向にずれるといった代償動作が起きやすくなります。
カカトに重心を乗せて回ることで、骨盤がスムーズに回転し、上半身の早い開きが自然と抑えられます。
▷ 実際に自分でやってみた
これを書いているのはトレーナーですが、大谷選手のルーティンを見て自分の体で試してみました。
特別な準備も道具も必要なく、その場で確かめられます。
やってみて「しっくりくる感覚」の理由が分かりました。
カカトに重心が乗ることで体の縦の軸が安定して、そこを中心に骨盤が回ることで、力んでいないのに回転がよく出る。軸が定まるから、余計な動きが出ない。
冒頭で書いた私が感じたことは、こういう理由だったのかと腑に落ちました。
意識して突っ込みを止めたわけでも、開きを抑えたわけでもない。正しく回れた結果として、余計な動きがなくなったという感覚です。
難しい動きではありません。今この瞬間、足を肩幅に開いて試せます。
▷ なぜ大谷選手はこれをルーティンにしているのか
もちろん、大谷選手本人がどんな意図でこの動きをルーティンにしているかは、本人にしかわかりません。ここからは私の考察です。
野球というスポーツでは、バッティングはそもそも投手に崩されることが前提と言ってもおかしくありません。
タイミングをずらされ、コースを攻められ、毎打席、自分の理想の形で打てるわけではない。どれだけ準備しても、打席の中では高確率で何かが乱れます。
だからこそ、打席に入る前に「自分の軸」を確認することに意味があるのではないでしょうか。
カカトを支点にしてスッと回る。その感覚を毎打席、体に入れておく。
崩されたとしても、その感覚が残っていれば、動きの基準点として機能する。
ルーティンとはそういうものだと思います。
また、この動きが「確認」として成立するぐらいシンプルという点はポイントかもしれません。
複雑な動作では毎回の再現が難しいですからね。
カカトを支点に軸で回るという感覚は、シンプルだからこそルーティンとして機能しているのかもしれません。
大谷選手がそう意識しているかどうかはわからない。ただ、理論的にはそう解釈できる、というのが私の見立てです。
▷ あなたもまず、やってみてください
難しく考える必要はありません。
足を肩幅に開いて、踏み出した前足のつま先を少し浮かせて、体の軸でスッと回ってみる。
それだけです。素振りでも、その場で立ったままでも構いません。
まずその感覚を確かめてみてください。
ただ、一つだけお伝えしておきたいことがあります。
実際に、つま先重心を推奨する指導者もいて、それを実践して結果を出している選手もいます。カカト支点が絶対ではありません。
人によって骨格も筋力も感覚も違う。
大事なのは「大谷選手がやっているからやる」ではなく、この動きが自分の体に合っているかどうかを確かめた上で使うことだと思います。
この動きの気持ちよさを感じるためには、ある程度の股関節の柔軟性と、体幹の安定性が必要です。
カカトに重心を乗せて軸で回ろうとしたときに、体がのけぞったり、バランスが崩れたりする場合は、動きそのものではなく、その土台となる体の機能にアプローチする必要があります。
カカト支点の回転が合う人もいれば、まず股関節や体幹の土台を整える必要がある人もいる。まずやってみて、自分の体の反応を確かめてみてください。
その気づきが、あなたのバッティングを変えるきっかけになるかもしれません。
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執筆者:布瀬川謙介 (東中野・落合のパーソナルトレーニングジム「BODY UPDATE LABO」トレーナー)
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