地面反力だけでは速いボールは投げられない|山本由伸投手に学ぶ「力を無駄なく集める技術」の重要性
2025/11/01
速いボールを投げるために、
「もっと強く地面を蹴ろう」
そう意識して練習しているのに、思ったほど球速が伸びない――
そんな経験はありませんか?
脚力は上がった。
トレーニングも積んできた。
それでも球速が変わらないとしたら、問題は「パワー不足」ではないのかもしれません。
実は多くの投手が、
力を生み出すことには意識を向けていても、
生み出した力をどう扱うかという視点が抜け落ちています。
速いボールを投げるために本当に重要なのは、地面反力そのものの大きさではなく、
全身で生み出したエネルギーを、ムダなく指先へ集める“体の使い方”です。
そのヒントを最も分かりやすく体現しているのが、ドジャース・山本由伸投手のピッチングフォームです。
一見力感のない動きの中で、なぜあれほどの球威を生み出せるのか。
そこには、一般的な「蹴る投げ方」とはまったく違うエネルギーの集め方があります。
ではまず、「地面反力」という考え方そのものを整理するところから始めましょう。
■1.地面反力だけでは、速い球は投げられない?
最近、以前にも増してよく耳にする「地面反力」。
――地面を強く押すことで、その反発を利用して体を加速させ、球速を高めるという考え方です。
これは物理的に考えて間違っていません。
地面を押せば、その分だけ等しい反力が返ってくるので、より強く押すほど大きいエネルギーを作ることができるわけです。
ですが、それだけで速球を生み出せるなら、脚力の強い選手は全員150km/hを投げられるはずです。
でも、実際にはそうではありませんね。
「蹴る」ことやブレーキを掛けることに意識が行き過ぎると、投球フォーム全体のバランスが崩れ、力が分散してしまいボールが走らなくなるケースもよくあります。
問題は「地面を蹴る(押す)力」ではなく、“生み出した力をどのように指先に集めるか”にあります。
■2.山本由伸投手が体現する、“力のムダをなくす”投球フォーム
ドジャース・山本由伸投手は、「力を無駄なく指先に伝える技術」に最も優れている選手です。
山本投手のフォームは、「地面反力の活かし方」が、一般的な投げ方とは異なります。
・一般的 : 強く踏み込み、「反発リリース押し出す力)」を推進力に変えようとする(=ムダの多い蹴る動作)。
・山本投手 : 踏み込み時に体を前に『倒す』ように重心を移動させ、その重力による落下エネルギーを推進力に変えます。
一般的に蹴る力を使ってエネルギーを生み出そうとする選手は、その瞬間がマックスになりがちです。
そして、肝心のリリースまでにいろいろなロスが起き、生み出したエネルギーを指先まで伝えることができません。
ですが、山本投手のフォームはリリースに向かって効率よくエネルギーを溜め、最終的に指先に爆発的パワーを集約することができる動きです。
ただ、あの力感の無いフォームはとてもシンプルな動きに見えますが、簡単にマネできるフォームではありません。
■3.まとめ:技術を支える「体の使い方」を考える
速いボールを投げるために必要なのは、筋力や地面反力を単純に高めることだけではありません。
むしろ大切なのは、「どうやって力を生み出すのか」だけでなく、「生み出した力をムダなく集める技術」です。
体を長持ちさせながら、最高のパフォーマンスを出すために、山本由伸選手投手が体現する「ムダのない力の集め方」の正体を理解していく必要があります。
表面的な動きだけを真似するのではなく、自分の身体の内側でどんな力が働いているのかを感じ取ることも、本当の意味でのパフォーマンスアップのために大切です。
執筆者:布瀬川謙介(パーソナルジム「BODY UPDATE LABO」トレーナー)
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